俳句語らいカフェって?
《俳句 語らいカフェ》は、このような会です。
自作の俳句1句を持ち寄って語らうひとときを、ゆるゆる楽しみませんか?
俳句の腕や出来を競うのではなく、作ってみた、どんな風に伝わるかな? で遊ぶ会です。
俳句は17音のポエム。
北極星が一段と冴えているなぁとか、浮世の生活では「それがどーした」なことだとしても、
ちょっと嬉しかったり感動したり悲しかったり、そんなことをつぶやくつもりで十分に俳句。
そもそもポエムだから、感じるまま、思うままにつぶやける。
日常の中に右脳で遊ぶ小さな非日常があること、そして一人一人の違いを楽しみ語らうことの癒しの力は、
こころの平和……自分の理解を前提条件にすることなく互いを尊ぶつながりをゆるやかに結ぶ力でもあると信じています。
よろしかったら、ご一緒に楽しみませんか?
全員フラットに、それぞれの感性で楽しみたいので、句会ではなく《俳句 語らいカフェ》。
句会のエッセンスを取り入れつつ、カフェのように気楽に語らうひとときです。
具体的には……
誰の句か分からない状態で、その句を味わって自分の内に広がった世界や感想を語り合う。
その後、作者が名乗って再び語り合う。
読み手の感想や反応から、伝わる・共有できる喜びがあったり、新しい視点をもらったり……
そんな、お勉強やお仕事とは別の、仲間とも自分とも語らうひとときを、居合わせる皆さんで一緒に紡いでいきます。
俳句は初めて、始めたばかりの方々も楽しんでくださっています。
添削や指導はありませんが、始める前の最初の一歩として分かりやすい入門書や、ベテランになっても使える歳時記等のご案内、俳句の先生や先輩方から教えていただいたことの共有などはしています。
俳句の腕や出来を競うのではなく、作ってみた、どんな風に伝わるかな? で遊ぶ会です。
気になる、面白そう、俳句をかじってみたいと思われたら、ご一緒に楽しみませんか?
******** ******** ********
お問合せメールアドレス: haikukataraicafe@gmail.com
《俳句 語らいカフェ》のそもそも
こんにちは。ご訪問くださりありがとうございます。《俳句 語らいカフェ》主催者の北野蓮香です。
《俳句 語らいカフェ》は、2022年4月にスタートし、グリーフケアを学ぶ仲間や動物好きな仲間達と一緒に毎月2~3回楽しんできました。回を重ねる度に、俳句の癒しの力、俳句を介して語らうことの癒しの力を確信。そこで、広く、俳句に親しむ者同士、フラットに語らえる場を一緒に作っていけたら素敵だと思い、ホームページを作りました。
目に見える事実は1つでも、真実は人の数だけある。10代の頃の心のつぶやきノートに書いた言葉です。何かでピンときて書き留めたのでしょう。三つ子の魂のように、これからもずっと私の心の芯にあるのだと思います。
私が思う俳句の魅力は、おおらかさ。
思うまま、感じたままの心のつぶやきを大切にできるから。かけがえのない一瞬の心を残せる心のアルバムだから。自分にはそう見えた、思った、感じた。人と違っていい。百人百様が面白い。ここに楽しさを感じています。
《俳句 語らいカフェ》誕生の根っこには、俳句が生活の中にあることが心をニュートラルにする助けになってきたこと、私が対人支援職であることがあります。支援者には支援が必要との想いをずっと抱き続けてきました。支援者というのは職業に限るものではなく、家族、友人、同僚、仲間など、誰もが誰かの支援者なのだと思います。
俳句に癒されながら、俳句に興味はあるけれど敷居が高くて入口がないとのお声をしばしば耳にしていたある日のこと、《俳句 語らいカフェ》がまだぼんやりとした構想段階だった頃のことです。
緑なす松や金欲し命欲し (石橋秀野)
俳句を介して語らう時間を居合わせる皆で作りたい。そう思わせてもらった俳句です。
幼子がありながら余命を限られた背景が垣間見えた瞬間に、句の趣がガラリと変わって伝わってきて涙が溢れました。最初に目にしたときは、ずいぶん直截なという驚きが先に立っていました。それがかえって「緑なす松」を際立たせていると思いつつも解しきれず、気になって調べました。石橋秀野は、文芸評論家・山本健吉の最初の妻で、肺結核のため1947年に他界。掲句は1947年の作。戦後で薬は高価。5歳の子がお腹を空かせて泣いていても、起き上がることもままならない。そんな状況での句と知りました。お金が欲しいのも命が欲しいのも、ひたすら緑なす子のため。生命力の象徴ともされる松の青々と若々しい新芽との対比も加わって胸に迫ってきたのでした。ちなみに同年9月に亡くなったのですが、7月作の絶句がこちら(以後は医師から作句を禁じられたため、この句が現存する最後だそうです)。
蝉時雨子は担送車に追ひつけず (石橋秀野)
担送車はストレッチャーのこと。既に俯瞰しているかのような、諦観の境地のような……。「緑なす~」を詠んだときから僅か数か月の間に、どれほどの慟哭を抜けてきたのか……誰かに吐露できたのだろうか……肺結核はうつるから子供は同じ部屋には居られなかっただろう……心許せる人とゆっくり語ることも難しかったのではないか……。切なくなると同時に、お子さんへの、あなたは愛されて生まれてきたのですよ、愛していますよ、というメッセージに私には思えて、お子さんの想いは存じ上げないままに、私は勝手に救われ、かけがえのない心のつぶやきを残せる俳句の力に癒されたのでした。
俳句は、紙とペンと歳時記と隙間時間があれば楽しめる。何歳になっても楽しめる。俳句に親しむと、いつもの景色やモノの見え方が変化に富んでくる。もしも何かの事情で外出がままならないとしても、外と繋がる手段はいくつもある。オンラインなら語らうこともできやすい。
俳句を介して語らう時間を居合わせる皆で作りたい。競うのではなく、互いを尊ぶひとときを居合わせる皆で紡ぎたい。
この想いが形になったのが《俳句 語らいカフェ》です。まだよちよち歩きの会ですが、俳句を介せば初対面でも浮世の立場や肩書を外した心の交流ができること、また、メンバー固定の場合は相互理解とチームビルディングの一助となり得ることの手応えを実感しています。ゆくゆくは都度募集でメンバーが流動的な会、対象者を設定した会など、さまざまな形でニーズに合わせて開催できるようになるといいなぁ。いずれはご参加くださった方が近くの方とご一緒に《俳句 語らいカフェ》を開催してくださったら素敵だなぁ……なんて、妄想に近い願望もあったりします。想いは表出すると叶いやすくなるらしいので、書いてみました。
《俳句 語らいカフェ》は悲嘆の俳句限定などということは全くありません。喜怒哀楽どれも、かけがえないですので。心にとまる、覚えている、表現したいと思う何かは、何かの意味があるのだと思います。俳句は僅か17音なので、語り尽くすことはできませんが、それがかえって気楽だったり、また、この句で伝えたいことは何? と心のつぶやきを大切にすくい上げることにつながっていたりもするように、個人的には思っています。
以上、《俳句 語らいカフェ》のそもそもと、会の想いでした。長々お読みくださりありがとうございました!
******** ******** ********
《俳句 語らいカフェ》主催者:北野蓮香(『玉藻』同人 『銀漢』会員)
お問合せメールアドレス: haikukataraicafe@gmail.com